2008年02月07日

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時計を愛する人々にとって、「ウルバン・ヤーゲンセン」という

名前は特別なものでしょう。その名は、時計の世界において

200年以上に渡り連綿と受け継がれてきました。

 ウルバン・ヤーゲンセン&ゾーネ社の起源は1773年に遡ります。

技術的完成度を追求したムーブメント、そして古典美が宿る芸術性の高い

ケース、それらが示すように、常に最高の品質を目指してきました。

創業者であるウルバン・ヤーゲンセンは、父の意を受けて

パリ、ロンドン、ジュネーブ、ル・ロックルにおいて修行を積みます。

そうして彼が製作したポケットウォッチや、航海・天文の分野に向けて

製作したクロノメーターは好評を博し、彼の名は瞬く間に世界に

知れ渡る事となります。その後デンマーク王フレデリク6世は

彼を王室御用達の時計師として迎え入れ、彼は王室向けの時計、

また海軍で使用するマリンクロノメーターの製作を一手に

引き受ける事になりました。

最高の素材を用いて製作された彼の時計は、今日においても

色褪せる事無く、多くの人々を魅了し、コレクターズアイテム

としても貴重なものとなっています。

2008年02月07日

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 初期に作られたゴールドケースのクォーターリピーター2点。

その下は、ウルバン・ヤーゲンセンとスイスの時計師

ベンジャミン・ブノワとの間で交わされた1809年4月7日付けの文書。 

  ウルバン・ヤーゲンセンは実践的な時計師であり、また時計製作における

芸術家であり、そして科学者でもありました。これが、彼と他の時計師との

決定的な相違点です。1804年より彼は時計理論に関して数多くの

論文を発表し、高い評価を得ました。また彼はバイメタル温度計の精度を

高める事に成功し、薄型ポケットウォッチのような温度計を製作しています。

それは当時の科学界に称賛をもって受け入れられました。

彼は同様の温度計を組み込んだ時計を数点製作しております。  

2008年02月17日

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ウルバン・ヤーゲンセンの製作したマリンクロノメーターの好例です。

彼は王立海軍、海運業者、天文学者、測量業者らのために

多くのクロノメーターを製作しました。

彼の時計が称賛されたのは

その精度、信頼性のためだけではありません。

写真が示す様に、

彼の時計には一貫して調和の取れた高度な芸術性が見て取れます。

2008年02月17日

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   1分間トゥールビヨンとスプリング・デテント脱進機

この美しいゴールドケースの時計は、19世紀初頭に誕生した

トゥールビヨンの起源に密接に関係するものです。

ウルバン・ヤーゲンセンと親交の深かったA.-L.ブレゲ、J.-F.ウーリエも、

同タイプのエボーシュを使用していました。白エナメルの文字盤に、

時分秒をそれぞれ別に示すレギュレータースタイルを取りながら、

文字盤のおよそ1/3を占める温度計のスペースを巧みに生み出しており、

非常に視認性に優れたものとなっています。

3/4プレート式のムーブメントには鎖引き装置と共に、

ハリソン式の動力維持機構が用いられています。

テンプには四角い大型のウエイト、そして1816年にウーリエが

考案した球型ヒゲゼンマイが用いられています。

この時計に用いられているバイメタル温度計機構は、

1801年にウルバン・ヤーゲンセンによって完成の域に達しました。  

2008年02月17日

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バイメタルを用いた温度計

ウルバン・ヤーゲンセンは、白エナメル文字盤の

様々なバージョンの温度計を製作しました。

その多くが幾つもの賞を受賞しています。またその何点かは、

最高と最低の温度を記録する機構を備えています。

2008年02月17日

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「クルーゼンシュテルン」ポケット・クロノメーターのムーブメント。

下はケーシングされたもの。アーノルド式スプリング・デテント脱進機と、

特殊な緩急方式が見て取れます。

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「クルーゼンシュテルン」ポケット・クロノメーター。

デンマーク国王フレデリク6世の依頼により製作されました。

この時計の製作に当たり国王は、時計の正確さとその美しさのためには

費用を制限しない、という条件をつけました。

そして国王はこの時計を、後にロシア海軍提督となる

アーダム・ヨハン・クルーゼンシュテルンに進呈します。

彼は1803年から1806年にかけて世界一周艦隊を指揮した人物です。

写真では決して伝えきる事の出来ない、本物のみが

持つ完全な美の一例と言えるでしょう。

2008年02月17日

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アールデコ時代に製作されたエナメルのドレスウォッチ。

2008年に出版予定の書籍に於いて、この時期に製作された

他のエナメルウォッチ、またヤーゲンセン一族の

詳しい歴史について説明がなされる予定です。

2008年02月21日

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1点製作のハンターケース・ポケットウォッチ。

均時差表示、ミニッツリピーター、永久カレンダー。

1865年製ゴイ・ゴーレイ社のエボーシュがベース。

1983年から1985年にかけて、ウルバン・ヤーゲンセン社によって

ケース、文字盤、針が製作され完成しました。

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文字盤下の写真。

永久カレンダーと均時差表示機構。

腎臓の様な形をしたカムが1年で1回転し、

均時差表示を制御します。

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ミニッツリピーターの機構。

2008年02月21日

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ハンターケースのポケットウォッチ。

ミニッツリピーター、永久カレンダー、スプリットセコンド・クロノグラフ。

見る者を圧倒するムーブメントは、ルイ・エリゼ・ピゲ社の

エボーシュがベースで、ユール・ヤーゲンセンが所有していたもの。

1982年から1983年にかけて、ウルバン・ヤーゲンセン社によって完成。

曜日と日付はそれぞれ窓に表示されます。

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2008年02月21日

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1秒間ルモントワール機構によって輪列とキャリッジ間の

動力伝達を切り離し、テンプに伝わる動力を一定に保ちます。

2008年02月21日

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 ルモントワール機構によって、秒針は1秒毎にステップ運針を行ないます。

ツインバレル、パワーリザーブ・インディケーター。 

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ルモントワール・トゥールビヨン・ウォッチのムーブメント。

ツインバレル、そして巻上げとパワーリザーブの歯車が見て取れます。

2008年02月21日

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リファレンス1自動巻きクロノグラフ、スクリューバックを備えたケース。

ギョーシェ彫りシルバー文字盤に「Urban Jürgensen Copenhagen」のサイン。

加えて日付、曜日、月、ムーンフェイズ表示。

わずか15本のみ限定で製作されたプラチナモデル。

2008年02月27日

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美しい機械彫りシルバー文字盤に磨き抜かれたゴールドの

針を添える事で、均整の取れた美が生まれます。

もちろんそれらを作り出すには、膨大な時間の手作業が必要になります。

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 例えばムーンフェイズのディスクを製作するにも、

20以上の工程を要します。背景となるブルースチール部分に

月と星の形が打ち抜かれて、そこに一つ一つゴールドが

埋め込まれていきます。永久カレンダー機構のバネやレバーが

描く美しい曲線、これを生み出すには気の遠くなる様な

努力が必要となります。表面には筋目が入れられ、

角の部分は面取りされて鏡面に磨かれます。 

2008年02月28日

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 伝統的な手仕上げによる永久カレンダー、ムーンフェイズ。

超薄型自動巻きムーブメント搭載(厚さ2.4mm)。

プラチナモデルのみ50本限定製作。

文字盤とムーブメントにシリアルナンバーが入っています。  

2008年02月28日

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 美しい機械彫りの文字盤は、自社のワークショップで製作されます。

文字盤1枚の製作には700近い工程を要します。

それには幾つもの特殊な加工機械を使用しますが、それらの中には

100年以上前に作られたものもあります。これらの加工機械は堅牢で

ありながらも、指先の微妙な感覚を完全に伝えきるものでなければなりません。

そうでなければあの規則正しい文様を生み出す事は出来ないのです。

上の写真の様に、機械彫りの作業には器用さと共に集中力が必要となります。 

2008年02月28日

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このモデルは、リファレンス2の後継モデルとして製作されました。

リファレンス2と同様、そのムーブメントは35石の超薄型自動巻き

ムーブメントで厚さは僅か2.4mmです。

リファレンス2との違いはパワーリザーブ・インディケーターが

追加された点です。多くの高精度時計、中でもマリンクロノメーターに

おいてゼンマイの残量は非常に重要なファクターであり、独立した針で

それを表示する事が求められました。

これは「アップ&ダウン」インディケーターとも呼ばれます。

リファレンス3は自動巻きであるため、常に腕に着用していれば

ゼンマイは全巻きの状態を維持し、インディケーターは「UP」

を指し示します。時計を腕から外すとゼンマイは解けていきますが、

インディケーターを見ればあとどれくらい動き続けるかは一目瞭然です。

このモデルのパワーリザーブ機構は従来のムーブメントに

組み込まれているため、その厚みは全く増えていません。

この超薄型機構の開発には2年を要しました。そうして30数点の部品と

10個の石からなるパワーリザーブ機構が完成したのです。

ケースの種類にはローズゴールド、イエローゴールド、

プラチナモデルが用意されています。

2008年03月02日

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プラチナケースの超薄型モデル。

機械彫りのシルバー文字盤、ゴールドの針、

ドーム型サファイヤクリスタルガラス。

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ケース径は35mmでPt,K18PG2種類のケースで

現在展開しております。

ムーブメントはPiguet71の自動巻きになります。

2008年03月09日

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 クラシカルなスタイルの腕時計。

ギョーシェ彫りのシルバー文字盤、ゴールドとブルースチールの針、

スモールセコンド、ドーム型サファイヤクリスタルガラス。

自動巻きムーブメント、パワーリザーブ60時間、

5姿勢差調整、日常生活防水。日付表示の有無が選択できます。

ケースはイエローゴールド、ローズゴールド、プラチナが用意され、

シースルーバックも用意されています。

シンプルさと美しさの両方を兼ね備えたモデルと言えるでしょう。 

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