2008年02月17日

1分間トゥールビヨンとスプリング・デテント脱進機
この美しいゴールドケースの時計は、19世紀初頭に誕生した
トゥールビヨンの起源に密接に関係するものです。
ウルバン・ヤーゲンセンと親交の深かったA.-L.ブレゲ、J.-F.ウーリエも、
同タイプのエボーシュを使用していました。白エナメルの文字盤に、
時分秒をそれぞれ別に示すレギュレータースタイルを取りながら、
文字盤のおよそ1/3を占める温度計のスペースを巧みに生み出しており、
非常に視認性に優れたものとなっています。
3/4プレート式のムーブメントには鎖引き装置と共に、
ハリソン式の動力維持機構が用いられています。
テンプには四角い大型のウエイト、そして1816年にウーリエが
考案した球型ヒゲゼンマイが用いられています。
この時計に用いられているバイメタル温度計機構は、
1801年にウルバン・ヤーゲンセンによって完成の域に達しました。